第115回景況調査(2020年10月~12月期)ダイジェスト
「今こそ思い切った事業再構築を攻めの人材登用と育成が未来を創る」
〔概況〕
2020年10月~12月期の状況では景況感DI・売上高DI・利益DI・新規受注DIの悪化が緩和されましたが、コロナウイルス第3波の懸念からか次期予想DIは悪化しました。景況感DIは今回最も改善幅が大きく、前回の▲36.9から22.4ポイント改善し▲14.5となりました。
業種別の動向では、全体的に悪化緩和が見られましたが、製造業(生産財)は景況DI・売上高DI・利益DIが悪化しました。建設業(土木・設備)はプラス域への好転が見られましたが次期予想DIはマイナス域となりました。
経営上の問題点は、2020年1~3月期調査から4期連続で「民間需要の停滞」が最も多く挙がっています。続いて「人材獲得難」が挙げられており2期連続で上昇しています。
特設項目ではコロナに関する助成金の申請状況や融資の利用状況について調査しました。助成金関係はおよそ6割の企業が申請しており8割以上は2ヶ月程度で入金されたと回答しました。コロナ禍における融資はおよそ6割が受けており、「念のため」や「つなぎ融資」という回答が多く挙がりました。しかしおよそ4割の企業は「経営者保証を要求された」と回答しました。
経営指針書に関する設問では、前回調査よりも「作成し実践している」と回答した企業の割合が増加し、「作成する必要はない」と回答した企業の割合が減少しました。経営指針書の検証状況では、半数以上の企業が「毎月検証している」と回答し「全く検証していない」と回答した企業はありませんでした。経営指針書と景況感のクロス分析では「作成し実践している」と回答した企業は景況感の改善幅が最も高くなりました。
コロナウイルスで需要が停滞する中でも人材獲得難は経営課題として挙げられています。緊急事態宣言が出たことで需要が停滞し、今後更なる資金繰り難が予想されます。このような状況だからこそ経営資源を見直しし、事業の再構築と人材の採用及び共育が今後の鍵となりそうです。