第116回景況調査(2021年1月~3月期)ダイジェスト
「激変する世界情勢を見極め、今すぐ事業領域の見直しを」
〔概況〕
2021年1月~3月期の状況では景況感DI・売上高DI・利益DI・新規受注DIが再び悪化し、1年前のコロナ初動期とほとんど同じ水準になりました。しかし次期予想DIは17.4ポイント改善しプラス域となり、明るい見通しを示しています。
業種別の動向では、製造業(生産財・消費財)は悪化緩和が見られました。建設業(設備)は景況DIと売上高DI及び利益DIがプラス域を推移していますが、建設業(土木)では悪転しマイナス域が目立っています。サービス業(対個人・対事業所)はマイナス域を推移していますが次期予想DIはプラス域となりました。
経営上の問題点は、5期連続で「民間需要の停滞」が最も多い問題として挙げられています。2番目に多く挙げられた「価格競争激化」も上昇しています。また、人に関する問題である「人材獲得難」「従業員不足」も上位に挙がりました。
特設項目では同友会が主催している“事業承継塾”や承継の予定、コロナ緊急融資の元金据置期間について調査しました。事業承継塾の認知に関する設問では9割以上が「開催を把握している」と回答しました。事業承継の予定については、4割の企業が10年以内に承継予定であることが分かりました。緊急融資の元金据置期間はおよそ半数の企業が3年以内の据置と回答しました。
経営指針書に関する設問では、「作成し実践している」と回答した企業の割合は前回調査よりも減少しました。経営指針書と景況感のクロス分析では「作成に至っていない」と回答した企業の景況感は低い値を推移しており「作成し実践している」と回答した企業の方が景況感が良い結果となっています。
景況分析会議では、世界情勢の変化による建設資材の不足を懸念する声が挙げられました。コロナにおける情勢変化をいち早く捉え、早急に自社の事業領域を見直すことが重要になります。