「永久劣後ローン活用」の政策立案を求める署名活動について
署名活動は終了しました。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響で、私たち事業者は経済活動が停滞するなか、 売上が先の見通せないものとなっています。政府は緊急融資をいろいろと打ち出しておりますが、このコロナ禍は長期化すると言われています。売り上げの見通しが立ちづらい中、借入が増えると返済が重くのしかかってきます。そこで、通常の融資ではない中小企業の支援策として、「永久劣後ローン融資制度の創設と政府および日銀出資の買取機構の設立」の早期実現に向け、下記の緊急提言を政府に届け、地域経済の基盤である中小企業を存続させ、多くの雇用を維持し、中小企業と共存共栄を図る地域金融機関を支援し育てるため、福岡県中小企業家同友会として署名活動を行うこと致しました。
永久劣後ローン学習会 動画
→ https://www.youtube.com/watch?v=nJ1nt5vv9XI
<緊急提言>
中小企業に対して永久劣後ローンの活用を進める政策を立案・実施することを要望します。
- 売上高急減などで自己資本の多くを毀損した中小企業に対しては、資金繰り支援と併せて資本増強策が必要であると考えます。中小企業に対して永久劣後ローンの活用を進める政策をぜひ立案・実施してください。当会としては以下のような制度を提案します。
- 永久劣後ローンとは、返済の優先順位が一般債権に劣後する借入金であり、議決権も返済期限もないものです。企業の業績が回復し、財務状況に余裕ができた段階で返済をすることもできる制度です。
- 金利は当初は無利息とし、支援先企業の経営安定化に伴って順次金利を引き上げることとします。ただし、今回歴史的な非常事態であることを踏まえ、通常の資本性ローンよりも低利なものとします。
- 対象企業を決める際は、その企業と取引のある地域金融機関の紹介・推薦を条件とすることで、不適切な企業に資金が流れるのを防ぐことが可能となると考えられます。一部の中核企業などに限定するのではなく、より幅広い中小・小規模企業を対象とした制度とします。
- これを進めるうえで、政府は永久劣後ローンの買い取りをする仕組み(買取機構)をつくるなどして、金融機関の対応をうながすようにしてください。
- 私ども中小企業家同友会としても、会員企業をはじめ地域の中小企業に対して日常的な金融機関との接点強化、永続的な企業づくりなどについて、引き続き取り組んでいくことを呼びかけていきます。
今回の提言は、一時的に国や日銀の力を借りるものの、ウイルス禍による中小企業の損失を数十年かけて中小企業自らが負担して修復していく仕組みであり、いわば「中小企業の自助」の提案です。