第 126 回景況調査報告書(2023 年 7 月~9 月期)ダイジェスト

「回復に期待はあるが、景況感は停滞し、見通しに警戒感も。人の定着と顧客からの支持も含めた自社の求心力が重要」

〔概況〕
2023 年 7~9 月期は景況感 DI が、前回 4~6 月期と比べてマイナス 2.7 ポイントとなり、DI 値
がマイナス域となりました。売上 DI は・利益・新規受注 DI は横ばい状態で「改善が減退」して
おり、停滞感が出てきました。次期 10~12 月期予測としては、水準としては 25.4 ポイントとプ
ラス方向へ向いていますが DI 値としては微減であり、景況改善の見通しには警戒もあるといえ
ます。景況判断理由のワードとしては、前期 4~6 月期調査においては「コロナ」が多く「人の動
き」の回復による影響がみられましたが、今期 7~9 月においては「受注」など積極的な企業努力
による反転を窺わせるワードが目立つようになっています。
経営上の問題点では、原材料高騰、仕入れ単価上昇、人材獲得難、従業員不足が前回と同じ
く上位四項目と慢性的な経営課題となっています。製造業(生産財)(消費財)はともに原料・
材料等の高騰や仕入れ単価上昇の問題点の回答が多く、商業・流通業では仕入れ単価上昇が顕著で
す。人材獲得難では全業種で多くの回答が見られ、とりわけサービス業(対個人)では顕著になっ
ています。
景況分析会議では、以前に比べて求人サイト等で同業種の処遇が比較しやすくなるなど、「人の
流動化が顕著になってきた」「今後ますます人の定着が難しくなってくる」などの意見が出されま
した。「コロナ後」のいま、人の定着と顧客からの支持といった「企業の求心力が問われる時代」
となっている。自社と事業を見直す必要があると論議されています。
〔インターンシップの実施状況調査〕
インターンシップについては、「毎年行っている」企業が 47 件と全体で 10%、「行っていない」
企業が 8 割以上を占めました。地元中小企業の価値を伝え、広めていく機会としてはインターンシッ
プが県内中小企業に浸透していない現状があるといえます。
〔インボイス対応の調査〕
10 月に始まったインボイスの対応については、一定の対応が進んでいるものの、現時点で 3 社に 1
社が仕入先への対応がまだ不十分な形となっています。さらに、インボイスについては、経理事務の
負担が大きいという問題が発生しています。

第126回景況調査報告書(PDF形式)

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