仕入れ及び資金・金融に関する動向の会員緊急調査
〔調査趣旨〕
長引くコロナ禍の中、米中などの回復需要増やコンテナ不足による海上運賃高騰での木材や非鉄金属など原材料の入荷難や価格高騰により、仕入品価格の上昇が経営課題として浮かび上がってきています。また、セーフティーネット等のコロナ資金緊急融資の返済も始まってきているところであり、現下の会員実態を把握するために、8月3日~30日の間、会員緊急調査を実施しました。
〔概況〕
〇現在(2021年)の売上げは改善傾向にありますが、回復の二極化が見られました。特に小規模企業は売上回復が遅れ気味となりました。
〇原材料・商品は、ほぼすべての業種、企業規模、地区において入手難という回答であり、木材や金属を中心に仕入れ価格の上昇が見られ、価格転嫁はそれぞれの企業で工夫し対応している状況が見られるが、回答の約半数の企業では仕入価格の上昇がある一方で、受注単価、販売価格はほとんどが「変わらず」か「低下」し、販売価格の「上昇」は20%程度に留まっている。仕入価格上昇分を販売価格に転嫁できていない企業も一定数あり、今後収益の圧迫が懸念されます。
〇コロナ資金緊急融資は回答の57%で利用されていました。逆に4割強は緊急融資を利用していないか出来なかったという回答でした。緊急融資の据置1年までの約定返済は始まっており、現状資金繰りが厳しくなっているという回答が59社(回答の17%)もみられました。5社に1社近くがすでに資金繰りが厳しいという結果です。緊急融資利用の2/3が返済据え置き期間2~3年で、大半を占めています。この返済開始が2022年春先からピークを迎えることからも、早めの資金繰り対策が必要になります。