第123回景況調査(2022年10月~12月期)報告書

「コロナ禍から好転するも、仕入価格上昇分を価格転嫁できておらず利益圧迫。先行き不透明、全社一丸で経営指針書の実践が急務!」

〔概況〕

 2022年10月~12月期は次期予想DI以外のDI値が好転し、売上高DI及び新規受注DIは二桁のプラス域となりましたが、景況感DI及び利益DIは依然マイナス域にあります。特に利益DIは売上高DIの改善についていっておらず、売上げの伸びに利益が伴っていないことが伺えます。また、次期予想DIは悪化し、先行きの不透明感が現れています。

 経営上の問題点は「人材獲得難」が「原材料の高騰」「仕入れ単価上昇」を抜きトップとなりました。「従業員不足」が4番目に来ており、人手不足が一層深刻になっています。「原材料の高騰」「仕入れ単価上昇」と共に、企業経営に大きな影響が出ていることが伺えます。

 資金繰りについて「余裕あり」や「やや余裕あり」と答えた企業が減り、「普通」や「やや窮屈」と答えた企業が増えるという結果となり、「借入据置期間の終了による返済開始」「原材料の高騰」の影響など資金繰りが厳しくなりつつあることが伺えます。 資金繰りDIも更に悪化を示しています。新たな融資施策を活用するなど、早めの資金繰り対策を行いましょう。

 コロナ禍など経営環境の変化に対応する取り組みについては、新規事業の立ち上げや既存の事業を見直し、そこから派生する事業に取り組んだりするなど積極的に工夫する企業が増えてきました。

 経営指針書の実践と各指標のDI値の関係に注目すると、「作成し、実践している」と回答した企業は景況感DI、利益DIを始め、全てのDI値がその他の回答に対し高い値を示しています。次期予想DIについては「作成に至っていない」と「作成する必要はない」と回答した企業は、他を回答した企業と比べ著しく悪い結果となりました。計画を立てて実践することの重要性を示しています。

 原材料費の高騰や仕入れ単価の上昇、採用難による人件費の上昇で利益確保が難しい状況であり、新型コロナウィルス感染症の影響は今後も続き、先行きが見通しづらく、不透明です。

 このような時代だからこそ、社員と共に経営指針書をつくり、見直し、全社一丸で取り組むことが急務です。経営指針書を経営に生かすことを支部で、ブロックでも広めていきましょう。

第123回景況報告書(PDF形式)

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