2017年度中央支部9月例会報告「経営危機からの脱出」~倒産から学ぶ経営術~ 株式会社福電工 代表取締役社長 一村隆茂氏

2017年度中央支部9月例会報告   記録 司法書士・行政書士 だいふく法務事務所 代表 木﨑 正亮

 

17年9月例会 一村さん写真

中央支部9月例会は電気工事業を営む 株式会社福電工 代表取締役社長 一村隆茂さんから「経営危機からの脱出」~倒産から学ぶ経営術~をテーマにご報告戴きました。

一村さんは、平成8年に、自ら代表を務めていた 有限会社一村電気商会 が元請けの倒産を受けて連鎖倒産(会社と代表者個人が共に自己破産)しましたが、すぐに個人事業主として開業なさいました。もっとも、破産の手続をした為に金融機関から新たな借入ができず、やむなく現金仕入で経営するしかありませんでした。そのような過酷な状況でしたが、個人開業の初年度から従業員4名で7000万円の売上をあげ、平成13年には再び福電工として法人格を取得なさいました。

倒産した時の従業員さんの半分以上は、そのまま一村さんに付いてきてくれたそうです。この点について質問がなされ、一村さんは「今よりももっと稼ぐから!」と従業員さんに約束したというご回答でした。一村さんの熱意が従業員さんに上手く伝わったのですね。

一村さんは、倒産後、とても精力的に経営の勉強をなさり、外部専門家などを上手に活用して、売上と従業員さんを順調に増やしてこられました。

また、自分が成りたい会社のやり方などを徹底的に「真似る」ことをなさったそうです。

他人の助言などを素直に聞き入れてその内容を実践していくというのは、言うのは容易いですが、意外に難しいものです。

私は、それを実行しておられる一村さんはとても謙虚で実行力のあるお方なのだと感じました。また、私自身の経営にも、自分が成りたい企業を「真似る」ということに取り組みたいです。

福電工さんは、現在、売上が6億円、従業員が21名ということですが、今後数年内に経営承継を済ませ、売上10億円を目指して、奮闘なさっています。

福電工さんは、M&A(企業買収等)の話を持ちかけられたこともあったそうですが、後継者である娘さんが従業員として福電工さんに入社し、経営の承継を進めておられます。

一村さんのご報告を受けて、「あなたは会社の危機をどう乗り越え、経営にどう活かしていますか?」をテーマにグループ討論を行いました。

私が入ったグループには、大きな経営危機を乗り越えてこられたかた、創業当初から大きな危機に直面することなく順調な経営を営んでこられたかたがいらっしゃいました。これまでに経営の危機に遭ったことがあるかたの中には、危機のときに、その都度、本業に関連したり付随したりするような部分である商品や売り先などを柔軟に変更し、上手に乗り越えてきたというかたがいらっしゃいました。その話は、強い幹を持ちつつ、枝葉を柔軟に変えてニーズに対応してきた具体例として良い学びになりました。

以上、とても学びが多い例会となりました。ありがとうございました。

             司法書士・行政書士 だいふく法務事務所 代表 木﨑 正亮

 

2017年9月12日