10月19日木曜日
10月中央支部例会が開催されました。報告者は公立大学法人北九州市立大学・教授・眞鍋和博氏です。異例の会員外から報告者を招いての例会でした。
今回のテーマは、「激変する社会構造と教育~若者に選ばれ、共育できる企業になるには?~」でした。高齢化が進んでいく中で、自社にマッチする人材をいかに確保し、定着させるか、これはどの会社にとっても避けて通れない課題です。そのような関心が高いテーマであった上,就職活動にも関わる現役の大学教授の報告で、さらに。グループ討論に現役の就職活動を終えた学生も参加し、どうやって就職先を選んだのかなど生の声が聴けるという触れ込みがあったこともあってか、登録時点でちょうど100名(うちゲスト三十数名)、実参加者数82名という多くの方が参加された例会となりました。
報告では、現在の教育の在り方が、先生から講義を受ける座学だけでなく、学生自ら主体的に学ぶアクティブラーニング等を重視する方向にシフトしつつあるという話がありました。その中でも、北九州市立大学地方創生学群は先進的であり、学生が地域の団体や企業と連携し、企画等のメンバーとして参画したり、ラジオ放送を企画段階から放送まで行ったりするなど、まさに、自ら主体的に考え、動くというアクティブラーニングを実践する教育を行っていました。さらに、同学群では、地域の問題を短期間体験して解決策を提言する、と言った従来の地域学習ではなく、先述のように地域での活動にメンバー、プレイヤーとして長期間にわたって参加し、地域と一緒に問題解決に取り組むといった地域創生教育も実践しています。
このような教育は、現在38歳の私の時代とは隔世の感がありましたが、さすがに一般的とまでは言えないようです。しかし、国の方針としてアクティブラーニング等を推し進めているそうですので、今後、拡がりを見せることになりそうです。
では、そのような教育を受けた学生さんの意識はいかに?そう思っているうちにグループ発表となり、学生さんの1人がマイクを持ちました。そうしたら何と「ズレてるんですよね。」という暴言を!体育会系の私は、「コラァ!」と言いそうな気持ちを抑えつつ、しっかりした内容を堂々と話す彼の話に耳を傾けると、「今の学生は、給料や福利厚生などではなく、働き甲斐や自分がいかに成長できるかを就職先に求めている。そのような場所があるか、トップにそのようなことを感じさせる魅力があるか、それを見ている」という話をしていました。おお!私が学生時代より、しっかり人生考えてるね。感心しました。
大学がどうあるべきか、様々な意見があるものと思います。しかし、今、小さくとも確実に教育現場が変化しているという現実があります。その変化を捉え、例えば、学生や若者の感覚を踏まえた採用活動を考えていくかどうかによって、今後の人材確保の戦略や効果は大きく変わってくるように思えます。
また、平然と暴言を吐くワカゾーについて、その暴言だけを捉えて排除するか、中身までを見て、認めて、共に成長できる方法を考えるかによっても大きな違いがあるようにも思えました。
そのような変化、そして、人間を認める重要性を今回の例会で学びました。
(報告 みらい法律事務所 宮原 三郎)