2017年度中央支部18/2月支部例会報告「地球が舞台。経営理念のお客様第一主義を実践〜サラリーマンから中小企業家への歩み〜」 株式会社九州トラベルサービスの代表取締役会長、東和範氏

2018年度中央支部2月支部例会報告   記録 山本公認会計士・税理士事務所 山本 教貴

 

18年2月例会報告東さん写真

2月支部例会は、平成30年2月15日木曜日に西ブロック担当で開催しました。

今回の報告者は、株式会社九州トラベルサービスの代表取締役会長、東和範さんでした。

報告のタイトルは、「地球が舞台。経営理念のお客様第一主義を実践〜サラリーマンから中小企業家への歩み〜」でした。なお当日は、高知出張の予定を切り上げて帰福していただきご報告して戴きました。

 報告の内容についてですが、まず、旅行業界45年の経験を有する東さんの創業からの歩みからお話いただきました。創業当初の資金繰りのお話は大変興味深いものでした。航空会社や旅行代理店と取引をするには、取引保証金が必要という業界慣行があるそうですが、東さんの場合、その実績から一番安くして戴いたそうです。それでも数社に保証金を入金すると資本金の半分以上がなくなってしまいました。

 創業当初は、このような旅行業界の特殊性から、資金繰りに苦労されたそうですが、時間とともに少しずつ改善し、無借金経営を継続されているとのことです。

 資金繰りに目処が立ち始めた頃に紹介により同友会に入会され、経営者としても勉強を始められます。そこで経営理念を作成され、それを実践することで、会社経営をされたそうです。東さんの苦労話も聴くことができましたし、経営方針については、それぞれについて詳細にご報告をいただきました。次に、今回の報告で、興味を持っている方が多かった事業承継の話に移ります。60歳を過ぎてから、事業承継を考え始め、信頼できる社員に事業承継の意思を確認したところ、「やります!」との返事だったため、事業承継を行うことになりました。

 事業承継は順調に進んでいるとのことですが、唯一の懸案は「株」の承継問題だそうです。非常に悩ましい問題で、私も仕事上相談を受けることが多い事項です。これについては、状況を見極めながら、検討を続けられるようです。事業承継というものは、それぞれ同じ状況が二つとない非常に個性的な事柄だと思いますが、今回は「譲る側」の視点から実際進行中の事例をお聴きする事ができたので、事業承継をお考えの方には大変参考になったと思います。

 最後に旅行のあれこれということで、いろいろな旅行先でのご経験や、お勧め旅として、ミクロネシアパラオやオーストラリアのパース、国内では利尻島・礼文島や石垣、西表、与那国島に鹿児島と魅力的な旅行先についてもご紹介いただきました。オススメの旅をお聴きになりたい方は、旅行業45年の経験をお持ちで、三百回以上海外に行かれている東さんに是非個別にご相談いただけたら、いいお話が伺えるのではないかと思います。

 このような報告を踏まえて、グループ討論が行われました。グループ発表は、進行が順調であったためか、全グループの発表となりました。業種によっても、信用を得る為に考えていることが異なること、それぞれのグループでの討論が盛り上がったことが発表から窺えました。その中で、業種は違えども、信頼を得るために必要なこととして共通していることがあったとの発表が印象に残りました。それは、「挨拶」と「掃除」。それぞれ、信頼を直接得る為に行うものではありませんが、全ての基本となる重要な事項であることを再認識できました。

 東さんの報告とグループ討論の発表を聴いて、経営者として会社を継続するために重要なことを、まず明確に認識すること。そして、それを地道におこなっていくこと。その上で、これを次世代につなぐことが事業承継になるということではないかと感じました。そして、東さんの場合は、その重要な部分が「信用、信頼」ということにあるのだと思います。

 懇親会はやまだ家さんで行いました。青年支部の皆さまにもご出席いただき、大変盛り上がりました。(青年支部主催の福岡フレンドシップフェスティバル2018が、4月8日に福岡市役所前広場で行われます。是非ご参加お願いします!)

 報告、グループ討論を通して、多くの学びがある例会となりました。東さん、ありがとうございました。

                                                 (山本公認会計士・税理士事務所 山本 教貴)

 

2018年2月28日