7月の企業変革塾 第2講は「体験談を聞こう!」です。
報告者は、有限会社吉冨財経センター 代表取締役 吉冨健一さんです。
吉冨さんは熊本同友会では、支部長・委員長・幹事長・幹事などを長年務められ、平成26年5月に福岡同友会・福友支部にも入会されました。熊本同友会での会歴は27年にも及んでいます。
27年前の熊本同友会の会員は当時300社ほどだったそうです。(現在は1000社を超えています)。入会前36歳くらいまでの会社は、社員さんがいつも辞めていってしまうという状態でした。さらにはメインとなるフランチャイズチェーンの売上がなくなるかもしれないという危機感。これを何とかしたいと同友会に入会し、経営指針書を作成するべく奔走します。
当時は経営指針書を作成するような勉強会もなく、3ヶ月かけて一人で作成しました。しかし作って見たものの、約9年間は絵に書いた餅の状態が続きます。振り返れば自分のために作ったもので、社員とのかかわりが全く欠けていたのです。会社を守ろうという気持ちが精一杯だったために、周りを見る余裕が全くなかったそうです。
しかし「わたし、おばあちゃんになるまでここで働いていたいです。」と、ある女性社員に言われた言葉をきっかけに、社員の人生を預かっていることにハッと気付かされます。それからは退職金制度、就業規則の整備、働く環境を整えることで、社員を大切にすることを重視するようになると、社員との関係が目に見えて改善されていったそうです。
経営指針でいかに熱く語ろうとも、この就業規則こそ、経営指針書の裏づけとなるものだ・・と断言されました。さらに就業規則は、経営者が不退転の決意で社員の人生を預かって経営を営んで行くという決意表明だとも言われました。経営者の言行一致・率先垂範こそが、社員との信頼関係をつくる最大の要因であると。当初、全く社員に浸透しなかった原因はここあったと、深く反省しておられました。
中同協・労全交には毎回参加。そのたびごとに委員長から毎回厳しく鍛えられました。やさしいところだけ行っても勉強にならない、足りないところを言ってもらい刺激を受けることが大切なんだ・・と今も当時のことを思い出しては、大変感謝していると言われたことに感銘を受けました。
今でもフランチャイズチェーン売上は全体の70%を占めています。同友会で教えられた、下請けではなく、横請け(パートナーシップ)に・・という言葉をいつも大切にしているそうです。小さくとも価値観で負けないためには、同友会で情報を集めて価値観をレベルアップさせること。全国に出かけ様々な学び・影響を受けてきたことが、今につながっていると、自信を持って言われました。
報告内容の項目ごとに、企業変革支援プログラムのどの項目にあたるのかについては、その都度お話がありました。
プログラムを使って診断し(自社が立ち位置としてどこなのかにより打つ手(PDCA)が違ってくる。)同友会の学びでは、自社環境と近い報告者、報告内容を学び、実践していくことが大変役に立ったそうです。
社内で実践されている営業日誌や全体会議の内容、労働分配率・労働生産性・時給を毎月全員で確認していること。社員さんに毎月1冊の本を無償で提供していること。リーダーへの権限委譲の推進など、惜しげもなく社内で実践されている内容を教えていただきました。
1・社員の成長が自らも確認できる。
2・自分の存在が評価され認められる。
3・自分の人生設計ができる。
こういう企業は社員さんが辞めないことも同友会で学んだそうです。
年収ベースだけでなく、生涯年収(将来の目減りするであろう厚生年金の補填としての退職金の充実など・・)で考え(なんと今も給与は現金払いだそうです!しかも給与計算は自分とか。)社員の資格取得支援や、30年自主教育プログラムの作成、各種団体への参加推奨(会費は会社もち)など、社員の豊かな人生を応援することを今も実践されています。
今回、大病を患ったことで、社員から仕事を取り上げ?・・られたり、後継者と決めていた女性社員に覚悟が出来て、事業承継が早くなりそうだと、嬉しそうに話していたのが、とっても印象的でした。
来月は、株式会社ジーコム 村上さんに報告をいただきます。村上さんは、マーケティング・リサーチ&コンサルティングのほかに、アジアでのビジネス調査やコンサルティングなどをされています。「海外ビジネスに必要なマーケティング講座」や「マーケティングの基礎講座」などの講演も多数です。是非、ご参加ください。
福友支部では、e-doyuへの登録目標を100名目指しています。現在、70名弱です。毎月、企業変革塾の日は、18時から登録していない方向けに、STEP1の説明をし、登録作業を一緒にお手伝いします。まだ、申請してないかたをブロック内で確認いただき、お勧めください。