企業が発展するとはどういうことでしょうか?
会社の規模が大きくなること
従業員数が増えること
売上が上がること・・・
サイズや数字上で成長を感じることもありますが、同友会的な発展とは何かを学ぶ例会が開催されました
企業が発展するには、労使見解が必須だった!
~あなたの事業所で、社員はずっと働いてくれますか?~
報告者 株式会社ヒューマンライフ代表取締役 中山英敬氏
今回の例会はのおがた支部・飯塚支部・田川支部・青年部連絡会・青年懇話会による合同での開催となりました。
参加人数も多く、普段の例会とは違った雰囲気が感じられました。
報告者の中山さんは、サラリーマン時代に担当したコールセンター事業に将来性を感じ、「日本一のコールセンターを作る!」という思いを胸に独立開業を決意したそうです。
しかし、その道のりはスタート前から困難の連続…
そんな中同友会に出会い、経営指針書作成セミナーの存在を知ります。
はじめは形だけ出来上がった経営指針書のようですが、その後のトラブル解決の中心にはいつも経営指針書がありました。
経営指針書の醸成とともに如何に会社が成長していったかと、同友会における労使見解の考え方を熱く語っていただきました。
そもそも労使見解とは何なのか?
労使見解とは中同協(中小企業家同友会全国協議会)が1975年に発表した文章で、中小企業にふさわしい近代的な労使関係の確立に関する内容を教訓化したものです。
わずか9ページの小文ではありますが、学ぶべき点は大きく分けて、
1.経営者の経営姿勢の確立
2.経営指針の成文化とその全社的実践の重要性
3.社員を最も信頼できるパートナーと考え、高い次元での団結を目指し共に育ちあう教育を重視する
4.経営を安定的に発展させるためには、外部経営環境の改善に労使が力を合わせる
の、4点だそうです。
中山さんの実体験のトラブルにも、これらの項目を含む内容が多くありました。
しかし、その一つ一つに対して、その都度自分が目指したものは何だったのか(理念)、社員一人一人がどう思っているのか(コミュニケーション・思いの共有)を確認し、改善(PDCA)しながら立ち向かっていったそうです。
するといつしか、社員の皆さんから課題や改善、そのスケジュールが示されるようになり、自主的に成長する仕組みが出来上がっていったそうです。
「経営指針書は社員の自発的成長時限装置です」と、誰かが言っていたのを思い出しました。
今回の例会では、企業が発展するということは、会社に関わる人が成長していくことである、と感じました。
社員が成長していくためには、安心して働ける環境作り、目指すべき方向の明確化、仕事を通じて感動を体験できるやりがい作りなどいろいろありますが、それらを計画的に実行するためには経営指針書が必要であると考えます。
健やかな労使関係を構築していくこと、真の人間尊重経営を目指すことが企業の発展につながっていくものだと感じられる例会でした。
記事 株式会社液化ガス 須尭正彦