粕屋町長者原にある洋菓子店「サクレクール」。当会かすや支部の会員・嶋田郷士さんが店主を務めています。創業して13年。可愛らしくほどよい甘さのケーキや焼き菓子が評判で、地元でも人気のお菓子屋さんです。
キラキラした世界に憧れて
嶋田さんが洋菓子職人を志したのは高校卒業後。進路が決まらないまま卒業を迎え、始めたアルバイトは2週間で退職。進学も就職もしなかったことで両親とは上手く行っておらず、「このままではだめだ」と思うようになったことがきっかけでした。洋菓子屋を目指した理由は「華やかでキラキラして見えたから」。当時の嶋田さんは薄暗い霧の中にいるようなモヤモヤとした気持ちを抱えていました。そんな中、華やかなお菓子を提供し、お客さんの笑顔が溢れる洋菓子屋が嶋田さんにはキラキラしているように見え、「自分もキラキラしたい!」という思いから職人の道を歩み始めました。
「何のために経営するのか」
嶋田さんは同友会に入会して2年。入会して間もなくあすなろ塾と経営指針作成2泊3日セミナーを受講し、経営指針書を作成しました。指針書の作成に至ったのは(資)若竹屋酒造場の林田浩暢さん(りょうちく支部会員)の例会報告がきっかけです。林田さんの「何のために経営するのか」という言葉が心に深く刺さり、「自分はお菓子を作るためだけに生きているのではない。人に喜んでもらいたいから洋菓子屋になったのだ」ということに改めて気づかされました。この思いを経営指針セミナーで形にし、現在「甘みを通して個人・家庭・地域を笑顔にし、感動の輪を広げる!」という理念へと繋がっています。
また、指針書をつくったことで数字を利益から考えるようになりました。同業者間では売上をどう伸ばすかがよく話題に上がりますが、売上が伸びても利益が出なければスタッフの待遇を良くすることはできません。嶋田さんは生菓子よりも採算の取れやすい焼き菓子の商品開発に着手し、また催事で販売する際は手数料分を価格に上乗せするなど、増益に意識を向け始めました。焼き菓子の種類が増えたことで現在はギフト(菓子折り)づくりにも力を入れています。
経営者になる!
嶋田さんは今後の目標として、「福岡といえばこれ!」と言われるような福岡土産を作ること、そして「経営者」になることを挙げました。「技術者、管理者、経営者でいうと自分はまだ管理者の段階。商品を作りながら経営している。管理者を増やして自分は経営に専念したい」と嶋田さんは言います。お客様とスタッフさんの笑顔のために学び続ける嶋田さん。今後のご活躍に期待です!(事務局・本村)
洋菓子店サクレクール
代表者 嶋田 郷士
所在地 粕屋郡粕屋町長者原西2-4-14
創 業 2006年
概 要 レモンケーキ等焼菓子、バースデーケーキ等生菓子、ギフト
理 念「甘みを通して個人・家庭・地域を笑顔にし、感動の輪を広げる!」