久留米市で野菜の販売、生産。野菜の種子の販売を行う（有）伊藤園芸専務取締役の伊藤 賢一郎さんにお話を伺いました。
いつしか芽生えた“土地”への想い
筑後川のほとり、広々と畑が広がる久留米市北野町に水菜・小松菜など葉物野菜の生産・販売や野菜の種子販売を行っている（有）伊藤園芸はあります。地元飲食店などを顧客として地域の食を支え、毎年6月頃には収穫したてのトウモロコシを会社前で販売し、口コミやメディアの紹介で人気を呼んでいます。伊藤園芸の野菜は久留米市のふるさと納税返礼品にも採用されており、現在はOEMでの加工商品の開発などにも取り組んでいます。
農業を取り巻く現状と次の一手
豊かな土地は豊かな実りをもたらしてくれる一方、農業という仕事柄、自然の脅威にさらされることもあります。2017年には九州北部豪雨があり、2018年、2019年の豪雨では続けざまにビニールハウスが浸水するなどの被害を受けました。伊藤さんも今後は災害等へのリスク管理とその対応がますます重要になってくると考えています。さらに今後は人口減少や食品ロス削減の推進なども影響をもたらしそうです。伊藤さんも食品ロス削減自体はよいことであり必要な取り組みだと考えていますが、生産者にとってはリスクにもなり得ます。そのような農業を取り巻く環境の中で、周辺でも法人化する農家や数件の農家が共同で組合を作るなど組織経営に取り組み始めるところが多くなっています。農業分野においても“強い企業づくり”がますます進んできているようです。伊藤園芸としては、今後は生産だけに頼らず加工や飲食といったいくつかの柱を立てて取り組んでいきたいという展望を描いています。また、昨今の暖冬を利用して南国の果樹栽培にチャレンジできないかとも考えています。近い将来、伊藤園芸生まれの南国フルーツが食卓に並ぶ日がやって来るかもしれません。
会社名：（有）伊藤園芸
会社所在地：久留米市北野町大城398-1
会社概要：野菜の販売、生産。野菜の種子の販売。
社員数：社員12名・パート7名
創業：1993年
URL：http://itoengei.com/