北九州市で非破壊による建造物等の検査を行う坂本 敏弘社長にお話を伺いました。
“非破壊検査”で事故を未然に防ぐ
計測検査(株)は、“非破壊検査”、つまり対象物を壊さずにトンネルや橋梁、建造物などを検査・調査することによって、損傷・老朽化を発見し、事故を未然に防ぐことで、日本の産業に「安心と安全」を提供する会社です。切断などによって対象物の商品価値を下げる破壊検査とは違い、超音波や放射線、レーダーなどを用いることで、商品価値を損なわず検査できることが非破壊検査の強みです。検査方法は様々で、対象物によって使い分け、ときには複数の検査方法を組み合わせ、目には見えない小さな損傷も見逃しません。海外の業務に携わる検査技術もあり、その技術力は世界でも認められています。
多種多様な検査方法を持つ計測検査(株)ですが、その中でも特徴的なものが同社と三菱電機(株)が共同開発した、走行型計測車両「MIMM(ミーム)」による、トンネル点検です。従来のトンネル点検は、打音検査というハンマーで叩き、音によって異常がないかを確認する検査方法が用いられていました。しかし、道路の交通規制が必要な上、人員と時間も必要という課題がありました。一方、この「MIMM」は最高80km/hで走行しながら、レーダーとカメラによってトンネル内部を撮影し、その画像を分析することでひび割れ等を発見します。走行しながら検査できるため、交通規制の必要がなく、長大なトンネルも1往復するだけで検査ができ、大幅なコストダウンを計ることができます。今やこの「MIMM」は全国のトンネル点検で活躍しています。このように普段は目にすることがない人たちの仕事によって、「何事もない」という日常が作られているのです。
モットーは「人に優しい会社づくり」をめざすこと
計測検査(株)は働きやすい職場環境づくりに力を入れています。その特徴の一つとして、同社の組織図は、お客様を一番上とし、社長が一番下という逆三角形の形になっています。つまり、ボトムアップという現場の声を吸い上げながら会社経営がされています。
専門知識が求められそうな仕事ですが、理系学生だけでなく、文系学生や障がいあるの方の採用にも取り組み、誰もが働ける会社を目指しています。現在5名の障がいのある方を採用し、CADや画像処理など専門的な分野で活躍しています。また、女性活躍のための時短勤務や1時間単位の有給休暇取得などにも3年以上前から取り組んでいます。
その他にも、成長シートによって社員の仕事の成果を可視化し、成長につなげる「成長支援制度」や社員同士で良いところを投票する「良いとこ表彰制度」など、働きやすい環境で、社員がやりがいをもって働ける会社づくりをめざしています。
創業 1974年11月
会社所在地 北九州市八幡西区陣原1-8-3
電話番号 093-642-8231
従業員数 133名
URL http://www.keisokukensa.co.jp/
事業概要 各種構造物の検査・計測・解析・コンサルティング等を行い社会の安全を守る会社です。