学生時代、福祉に興味を持った須藤 司さん(農業人 代表者)は、学校卒業後、福祉事業に携わり、福祉人を立ち上げました。介護などの福祉事業のみならず、お弁当事業や障害者福祉サービスも始めます。福岡同友会に入会する前から山口同友会にも入会していた須藤さんは、同友会で学んだ職業分掌を実践し、立ち上げた事業を社員に承継してきました。福祉事業の将来と、農業の将来を考えた時、いまは農業に全力投球する時だとの考えに至り、現在は農業に奮闘しています。
今まで農業をしたことがなかった須藤さんは、農業は一人でするものだと考えていたそうです。しかし、実際にしてみるとすごく大変で、周りの師匠たちに指導してもらい、ようやく農業を起動に乗せることができるようになったそうです。0からの新規参入が少ないこの業界で、0からの新規参入をした自分を快く引き受けてくれたこの地域に何を恩返しができるのか。そう考えた時、同友会で学んできた経営のノウハウを米作りで発揮するということでした。
日常的にみなさんもお米を買われると思いますが、通常、市価で1キロあたり4~500円くらいです。稲作農家さんからの卸値は当然それより安く1キロ200円以下で取引されているそうです。須藤さんは直販をされているということもあり、その2倍、3倍の値段で販売をされています。そこで、須藤さんがこの地域から少しでも高くお米を買えば、農家からの卸売量が減るので、その分卸値もあがり、農家の収入増につながります。このような循環を生み出すことで、地域貢献をめざしています。
少しずつ農地を増やしてきている須藤さんですが、最初は小さな農地でお米を育てていました。それでも農業素人にはとても広く感じる農地です。最初は試行錯誤の連続だったそうですが、師匠たちに指導してもらい、また友人たちにも手伝ってもらいながら、ここまで来ました。今でも田植えや稲刈りの時期は、知り合いに声をかけて、皆で楽しく農作業をされているそうです。
耕作放置となった土地が増えていますが、農地や河川の安全管理、近隣との交流など、農業は地域を支える役割が思った以上にあります。会社以上に自分がよいだけではうまく行かないことに気付かされるのです。これからも農業に力を入れ、地域づくりに貢献をしていきたいということでした。
□会社概要
創業 2020年4月
住所 遠賀郡遠賀町上別府844-2
事業概要 本来の力に着目し、育成から保管までを一貫管理。体に優しい直販品を耕作しています。