有限会社丸憲製作所は、田川郡福智町にある機械加工メーカーです。そこで2代目として代表取締役社長に就任されたのが、小屋根雄作さんです。会社名の由来ですが、先代でもある父、憲昭氏が丸く治めるように、と親代わりに育ててくれたお姉さんが考案してくれたものを採用されたそうです。
機械加工は、機械や工具を使って、金属やプラスティックなどを目的のものへと加工し製造することが主な仕事になります。そのため、出来上がる商品は多種多様で、ものづくりを語る上では外すことができない業種です。まさに日本のものづくりを支えている業種です。しかし、機械加工と一言で言うのは簡単ですが、たとえば、材料が金属である場合と、プラスチックである場合では、まったくその取扱は違います。たとえ金属でも、その種類によって特性がまったく違うため、当然加工の仕方は違ってきて、会社によって得意な加工も変わってきます。有限会社丸憲製作所では、主に非鉄金属を使った半導体製造装置の部品加工を行っています。
半導体製造装置の部品加工を取り扱い始めたのは、いまから40年ほど前だそうで、熊本で半導体産業がまさに盛り上がろうとしていた時です。これからの将来を考え、シフトをしたということでした。九州はシリコンアイランドと呼ばれていましたが、1980年代の最盛期には世界の生産量の約1割を九州が占めていました。まさに有限会社丸憲製作所は、世界の半導体を支えるメーカーとしてその実力を磨いてこられたのです。
半導体自体はとても精密な機械になりますので、それを作る半導体製造装置にも精密さが要求されます。当然、その部品も然りで、製造部門とは独立した検査部門を持ち、専属検査員により精度検査を行っているそうです。そうした技術力の高さが今の有限会社丸憲製作所の長所となっています。
半導体を作る国は、今ではアメリカ、韓国、台湾などになりましたが、世界の半導体製造装置については、アメリカ、日本、オランダの3国の会社でトップ10を占めており、まだまだ成長する余力はあると小屋根社長は見ているようです。
現在、社員数は役員を除き19名ということでしたが、40名までは雇える会社になるべく、社内体制の改革を行っています。定年は60歳で、継続雇用制度を採用されていますが、現在は60歳以上の方はおらず、最年長は57歳の方ということでした。20代前半の頃から30年以上も勤務をされているそうなので、とても働きやすい会社なのでしょう。有休を自由に取るようになったのはここ最近、ということですが、それはどの会社にも言えます。まだ今年の有休取得率は出ていないそうですが、例年50~75%の平均取得率となっているそうです。まだ産休・育休を取った社員さんはいないそうですが、有休を使って男性社員が数日育休を取ったことはあるそうで、社内の労働環境整備にも力を入れています。
同友会では地区会長として同友会運動を引っ張り、社内では働きやすさを丸くしている小屋根社長でした。
創業 1972年9月
住所 田川郡福智町弁城3853-3
従業員数 19名
URL http://maruken-tech.jp
事業概要 マシニング等を使用しての精密機械加工を行っております。