国産畳のよさを伝えたい (株)佐野疊屋

田川市で、(株)佐野疊屋を経営するのは、佐野 典久さんです。会社名の通り、畳を作っています。畳屋さんでは、トコと呼ばれる芯材に、い草で編んだ畳表と呼ばれるゴザを貼って、周りにヘリを縫うのが仕事になります。部屋により畳の大きさや形は変わってきますので、すべてが機械で縫うというわけではなく、手で縫って仕上がることが多いそうです。

もともと、畳屋さんになるつもりはなかったそうで、あまり畳のことを知らなかったそうです。しかし実家を継ぐことになり、畳の職業訓練校に通って、いざ畳について勉強をしてみると、国産の天然い草による畳表が、中国産に比べて、手触りや香りなどが全く違うことに気づいたそうです。また国産い草は、中国産い草にくらべて丈夫で、値段の差以上に長持ちもします。
そこで、日本のい草のほとんどを生産している熊本の八代に、生産者の方に会いに行きます。しかし、安い中国製に負けて、い草農家をやめるという人がたくさんいました。このままでは国産い草がなくなってしまう、国産い草の良さを広めたい、お客さんの声も農家さんに届けたい、という思いで、活動をはじめます。そして終には中国産い草で作られた畳表を取り扱うことはやめて、国産い草で作られた畳一本にしぼったそうです。

そうは言っても、国産い草にしてしまうと、畳の値段は高くなってしまうため、値段交渉をした際、他の畳屋さんに行ってしまったお客さんもいたそうです。しかし、佐野さんの考えに共感して、引き続き取引をしてくれた方や、新規のお客さんもいるそうです。また畳屋さんでも佐野さんの考えに共感してくれる方もいて、少しずつ国産い草のよさは伝わっているそうです。

創業 1952年4月
住所 田川市大字伊加利1697-1
URL https://sano-tatamiya-fukuoka.co.jp/
事業概要 新畳制作、表替え、畳雑貨、壁紙、襖・障子、マドまわり天然物にこだわった商品

2024年3月13日

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