2月6.7日に愛媛県で第55回中小企業問題全国研究集会が開催されました。
今回のテーマは「先達に学ぶ 今を生きる 未来を変える」です。
参加した第13分科会について報告します!

【第13分科会報告】
<自己紹介>
・報告者:大野 栄一氏 ㈱ディースピリット 代表取締役
・テーマ:倒産のどん底から復活できた力の源泉
リーマンショックのダメージに加え、社員の巨額な横領が重なり倒産。しかし、独学で学んだAIとロボットの技術を結び付けた新製品の開発によって、社会課題を解決する全く新しい市場を開拓。一度失敗した人間の再チャレンジが困難な日本の社会で、大野氏が経験したヒト・モノ・カネの苦労の中には、中小企業を取り巻く問題が凝縮されている。大野氏の歩みから激動の時代を生き抜くヒントと同友会の存在意義を学ぶ分科会。
社長になったのは33歳。2008年のリーマンショックが大きな転機となり、主要取引先からの受注が減少。在庫の圧縮や経費削減、人員配置の見直しを行うも急激な環境変化に対応できなかった。同時期に社員の横領も発覚。総額数千万円。リーマンショックの影響もあり、会社の財務状況は悪化。全社一丸で売上アップ、経費削減に取組む。結果、翌年には売上が回復し単年度で経常利益を出すことができた。しかし、2011年の東北大震災で再度売上が大きく低下。金融機関への追加融資を求めるも、一度目の経営危機で債務超過に陥ったため取合ってもらえなかった。金融機関の経営改善の要求は厳しく、取引先への支払いも遅延。賞与も出ず、給与の支払いも遅延する中、資金不足は深刻さを増した。最終的には経営コンサルタントに相談し、事業計画を練り直すも状況は好転せず倒産を決意した。
倒産後、友人や知人からの連絡も途絶え、人間関係の苦しさを痛感した。今まで生きてきた58年を思い返し、人の足を引っ張るための人生だったのか、人に迷惑をかけるための人生だったのか、努力しない人生だったのかと自分自身に問いかけたとき、ここで終わらせると「自分」と「会社」の存在意義がなくなると思い再起を決意する。
何か起こる前に相談していくことで解決を図ることの重要性を学ぶことができる報告でした。