海苔製造機械シェア50%を誇る業界ナンバーワン企業  竹下産業(株)

柳川市で、海苔製造機械を製造する竹下産業(株) 代表取締役 竹下 政敏さんにお話しを伺いました。

 

海苔製造機械トライスター

海苔の製造機械国内シェアは50%

皆さんは、海苔がどのように作られているかご存じですか?まずは海藻として、海から収穫します。収穫された海苔は、一次加工として四角い形状に漉き、脱水を行い乾燥させます。こうして皆さんがよく知っている板海苔(乾海苔)が出来上がります。二次加工として焼海苔、味付け海苔などに加工されます。以前は、海での収穫も、乾燥加工するのも手作業で行なわれており、手間ひまがかかるかなりの重労働でした。そのため生産数も少なく高級な嗜好品でした。今では機械化も進み、お手頃な価格で提供されています。その自動海苔製造機械を、竹下産業(株)は作っており、加工機械の国内シェアは実に50%を超えています。柳川市に本社がある竹下産業(株)の前身は鍛冶屋に始まり、農業機械の製造会社となった竹下鉄工という会社でした。創業者は前身となった会社を退職したのち、今の会社を1965年に設立しました。それ以来、海苔の製造機械を事業の中心にされています。

工場内の様子

販売先は海苔製造食品メーカーではありません

海苔といえば御三家といわれる山本海苔店、山形屋海苔店、山本山などを思い浮かべませんか?しかしそれらの会社は生産された板海苔を仕入れて、焼き加工や味付け加工海苔など二次加工をして販売している会社であり、海苔自体を養殖・生産しているわけではありません。海苔本来の生産者は、海苔を養殖している漁師さんであり、それを摘んで板海苔に加工するのも、漁師さんです。そのため海苔製造機械を購入されるのは、海苔漁師さんだったり、漁業組合の共乾事業となります。丹精込めて養殖した海苔だからこそ、板海苔にする際には、少しでも品質が良い製品にしたいという願いが生産者の皆さんにはあります。その思いを何より大事にし、それに応えているからこそ、竹下産業(株)は、国内シェアナンバーワンであり続けているのです。

工場の外観

設立から50年以上の老舗・・・勤続年数50年を超える社員さんも

竹下産業(株)の設立は1965年ですから、設立して50年を優に超えます。日本はもともと終身雇用を前提とした企業も多く、長く勤めている方も諸外国に比べれば多いのですが、竹下産業(株)では、勤続年数が50年を超える社員さんが2名もおられており、これは特筆すべきことです。社員さんにとって、会社としての魅力、働きがいなどがあることは当然前提としてありますが、会社が長く働き続けるだけの制度が整っているということでもあります。具体的には60歳定年になりますが、各人の事情に合わせて働けるよう1年ごとに雇用契約を延長する再雇用制度を採用しており、能力や経験のある意欲ある方は、いつまでも働ける環境が整っています。また、以前は残業が多い職場だったということですが、その能力を十分に発揮してもらうため、職場環境の改善にも常に取り組んでおられ、月平均残業時間は7.5時間、年間休日も104日となっています。訪問した時は、工場の繁忙期であったにもかかわらず、ほとんどの方が定時で帰っていたのは、驚きでした。

竹下社長

会社名:竹下産業(株)

会社所在地:柳川市本町68-4

事業内容:省力化機器、自動機の設計製作。全自動乾海苔製造装置(自社開発商品)。

創業:1965年

従業員数:90名

2020年8月31日