7月6日(火)に中同協主催「中小企業魅力発信月間キックオフ行事」がオンラインで開催されました。来賓には、国会議員や経済団体、労働組合など25名が参加され、全体では会員を含めると、のべ660名の参加となりました。
4名の方からそれぞれ異なるテーマで実践報告がされ、基調講演では駒澤大学名誉教授の吉田敬一氏より「中小企業の存在意義と社会的役割」というテーマで報告がありました。
【実践報告1】障がい者雇用の現場から
「誰もが共に働き、暮らすことがあたりまえの社会を目指して」
(株)オグネット 代表取締役 小串康博氏(大分同友会)
大分同友会では障がい者雇用の推進に向けて、実習受け入れ環境を作るために行政や就労支援施設と連携しています。また、障がい者実習受け入れ賛同企業マップを作成し、地図上で受け入れ企業の場所、企業概要、実習内容等を知ることができるシステムを構築しています。こうした取り組みにより2001年5社であった実習受け入れ企業は、2021年には122社まで広がりました。
【実践報告2】学校の現場から
「『学校』から『地域』へ 府立高校と同友会との連携による就労支援」
大阪府立西成高等学校 校長 山田勝治氏
西成高校では卒業生の7割が進学ではなく就職しており、同友会の高校求人部会と学校の就職指導委員会が連携して就職率100%をめざして活動しています。府立高校の就職多数校を中心にキャリア支援もされており、学生と経営者の意見交換会を行なっています。
【実践報告3】地域金融機関の現場から
「当金庫と広島同友会との広島を元気にする連携について」
広島信用金庫 専務理事 吉岡敬司氏
広島信用金庫では「地域と共に豊かな未来を創る」を理念として広島同友会に連携活動を提案しました。「広島を元気にする会議」をこれまで31回実施し、“ヒトづくり”“企業づくり”“地域づくり”の活動を行なっています。広島県内企業の73.2%は後継者不在という課題を抱えているため、会内企業向けに事業承継セミナーを開催しています。また、信用金庫では取引先企業に“学びの場”として同友会を紹介する活動も行なっています。
【実践報告4】自治体から
「事業者と行政のタッグで『頑張る企業が集まるまち』をつくる」
奈良県広陵町 町長 山村吉由氏
広陵町では2018年に「中小企業・小規模企業振興基本条例」が制定され、条例に基づいて地域づくり活動が行われています。山村町長は「仕事を見える化することは重要なことである。条例に基づいて地域全体を考える事業者が増えることが条例の効果である。」と報告しました。
【基調講演】
「中小企業の存在意義と社会的役割」
駒澤大学 名誉教授 吉田敬一氏
21世紀の日本の先進国としての課題は、地域社会が持続可能性を担保するために熟成し、食と住の生活文化を支えることです。生活必需品の供給を地域で行い、地産地消をすることで雇用の維持に繋がります。
”Think Globally Act Locally”グローバルに考え、ローカルに活動することが中小企業に求められています。
(事務局 都留)