博多港からほど近い築港本町にある(株)長谷川商店。現社長である長谷川 知久さんは同社の3代目です。満州で水産会社の番頭を務めていた長谷川さんの祖父が戦後に博多港に引き揚げた後、干物を作ってリアカーで売り歩いたことが(株)長谷川商店の始まりです。メイン商品は銀鱈やサバのみりん干し。会社の一番の強みは?とお尋ねすると自信をもって「味です!」と答えてくれました。
長谷川商店の朝は早く、朝7:00には社員さんが出勤してきます。魚を捌き、自慢の「秘伝のたれ」に漬け込んだあと、大型の乾燥機を使ってほどよく乾燥させると一夜干しが完成。夜中には福岡市中央区長浜にある鮮魚市場に出来上がったばかりの商品を納めています。早ければその日のうちに地域の人々の食卓に出来立ての一夜干しが並ぶのだそうです。
昨今の円安や海外情勢により干物の材料となる魚の価格は上がっており、今後会社の利益に影響が及ぶ可能性もあります。現在は市場を通じた取引が中心ですが、今後は小売りにも力を入れていきたいと百貨店の催事などを通じて自慢の一夜干しをアピールしているところです。また何らかの事情により一夜干しの材料となる魚が手に入れづらくなることも起こりえます。そのような事態に備えるため更なる柱となる商品を考えていくことが必要です。干物を乾燥させるための乾燥機を活用して魚以外の商品を開発することや燻製品の製造なども考えていきたいとこれからの展望を語ってくれました。
(株)長谷川商店
福岡市博多区築港本町10-1
092-281-7060
創業: 1949年
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