ワンちゃんで社会問題の解決を
ドッグセラピージャパンは、「人と犬の新たな関係を創り出し、犬への正しい理解を広げることで人と犬がともに暮らしやすい社会を構築する」を理念に掲げ、ドッグセラピー活動や犬カフェ、犬猫殺処分ゼロ啓蒙活動などを行う特定非営利活動法人です。上記の活動以外にも犬の販売やトリミングを行っています。子どもの頃から生き物が好きだった野田さんは、知り合いから譲ってもらった犬をトリミングしてもらったことをきっかけに、トリミングを習い始めます。犬に希望を与えてもらったこともあり、犬に幸せになってもらいたいという思いと犬猫殺処分の現状を知ったことから、現在の法人を設立しました。
犬を通して、高齢者の社会参加や子どものコミュニケーション不足改善、障がい者の就労支援、殺処分問題などあらゆる社会問題を解決することを目指しています。
ワンちゃんで高齢者や子どもに笑顔を届ける
会社を定年退職すると外出機会が減り、しらずのうちに引きこもりがちになることも少なくありません。また、家にこもってゲームしたり、スマホの普及によりコミュニケーションを苦手とする子どもも増えています。これらの社会問題を解決するために、セラピードッグによる犬カフェや子ども食堂、高齢者施設でのセラピー活動を行っています。セラピードックとは、触れ合いや交流を通じて病気やケガまたは精神的な痛手を受けた人の不安を減らし気力を高め心と体を癒やす働きをする訓練を受けた犬たちです。同社ではセラピードッグの育成も行っており、高齢者施設をセラピードッグと訪問し、抱っこしてもらったり、ゲームをしたりします。犬を飼うことができない高齢者が犬と触れ合うことで、自然と表情が豊かになり性格が穏やかになります。あまり人と会話をしようとしない高齢者の方が話すようになったり、寝たきりの方が動こうとするなど目に見える変化がたくさんあります。認知症の方が触れ合いを通して昔の記憶がよみがえることもあります。
子ども食堂では、大学生が宿題を教えながら、犬を通して子ども同士のコミュニケーションが生まれています。消極的だった子どもが積極的になったという事例もあります。また同時に犬を通じて命の大切さも教えています。
犬のお世話だけの短時間労働で障がい者雇用をした経験から、A型事業所として就労支援にも取り組んでいます。
人、動物、それを取り巻く環境の健康はひとつ
人が健康で暮らすためには、地球で暮らす動物、そして地球自身も健康である必要があるというワンヘルスという考え方があります。ワンヘルスの6つの柱のうち、「人と動物との共生社会づくり」「健康づくり」に重点をおき活動しています。高齢者が犬との散歩によって運動不足が解消され、社会とのつながりが持てれば、健康になり、結果的に医療費や介護費の削減にも繋がります。高齢になっても安心して犬を飼い続けられる環境を整え、セラピー犬によって高齢者の社会参加や健康寿命の増進といった社会問題の解決に寄与しています。
家族で利用できるドッグランも新たに鞍手で始動しました。個室利用や食事の持ち込みが可能です。家族のコミュニケーションの場になり、子どもも走り回れるので健康にも寄与できます。また、将来犬を飼ってみたいという方向けにセラピー犬を借りて体験することもできます。犬と人が暮らしやすい世の中で、心豊かな社会づくりを目指しています。
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