福岡同友会は2011年から憲章条例推進月間の取り組みとして大勉強会を開催しています。
今年度は6月11日に大勉強会を開催し、行政や他団体などをふくむ76名が参加しました。講師として『地元経済を創りなおす―分析・診断・対策』(岩波新書)の著者である枝廣淳子氏(大学院大学・至善館幸せ経済社会研究所)を招きました。
まず、枝廣氏は「未来は地域にしかない」と強く訴え、これからの国・企業・地域にとって「パリ協定」、「成長戦略」、「エネルギー政策」の3点がつながりあうことが重要と報告されました。
続いて、人口減少による地域の課題について、「不安定・不確実な時代を生きていくために『レジリエンス(しなやかな強さ)』が必須です」と問題提起。柳や竹のように折れないまちづくりのために、①ぶれない芯となる地域の未来についての共有ビジョンと②外部に依存しすぎず、持続できる地域経済の2点の重要性を語られました。さらに、持続できる地域経済のためには、「『漏れバケツ』の穴をふさいで『地域内』と『地域外』のバランスのとれた社会をつくること」を提起。「漏れバケツ」とは、地域内で循環するお金が地域外に流れている状態のことです。
最後に、枝廣氏は「地域経済を『見える化』してデータを活用することで地域経済を変えることができます。人・資源・お金の循環を変えることが持続可能で幸せな地域をつくる」と結んで講演が終わりました。
折れないまちづくりにはぶれない芯となる企業での経営指針、地域での中小企業振興基本条例が大切であると実感でき、一つずつ、一歩ずつ進めて行くことが重要であることが改めて理解できる勉強会となりました。
事務局員 都留彬久