■ 同友会の目指す姿
中小企業家同友会は、「中小企業の経営を良くしたい」という目的のもと、1957年4月東京で設立され、1963年3月に福岡県中小企業家同友会(以降同友会)が誕生しました。
福岡県では、約2100名超の経営者が所属しています。
同友会は全国の全ての都道府県にあり、約47,000名が在籍しています。「よい会社をつくろう よい経営者になろう よい経営環境をつくろう」という3つの目的のもと、国民や地域とともに歩む中小企業をめざして日々活動しています。
また、経営者と雇用者はお互いにパートナーと位置づけ、経営者も社員も地域を担う大切な存在であると考えています。
企業づくりは地域づくりです。強い企業をつくり、地域になくてはならない企業を増やすことで、地域の雇用をつくり、納税を増やしていきます。
他の団体と違うところは、ボランティア活動や経済交流の展示会をするのではなく、経営者が学び、自己研鑽していくところです。
毎年行政に政策提言をし、補助金を出すように提言するのではなく、行政と共に良い企業づくりやまちづくりを推進していくにはどうしたら良いかを考えていきます。
同友会の特徴として、行政の補助金や他団体からの寄付金は受けておらず、会員の会費のみで運営されています。そのため、いかなる政治団体や業界団体、宗教に偏しないことを基本としており、あくまで国民や地域のためによい会社、よい地域をつくっていくように活動しています。
■ そのためにはどんなことをするの?
会員が所属する支部では毎月1回の勉強会(例会)が開催されています。例会では、経営者である会員が自社の経営体験を話し、それをもとにグループ討論を行います。会員の経営体験やグループ討論をもとに、自社の経営課題をいかに解決するかや自社ではどのような取り組みを実践できるかを持ち帰ります。経営コンサルタントが経営について話すよりも経営者が経営の実体験を話す方が言葉の重みや大きな気付きがあります。会員同士が仲間としてともに学び合いながら、自社の経営を良くしていきます。
また、支部での勉強会や交流会、ブロック会と呼ばれる少人数でのミニ勉強会が開催されています。
■ 他にはどんな活動をしているの?
上記例会の他にも、世の中の動きに対応するため、様々な経営課題に沿った委員会活動をしています。
・経営労働委員会
同友会では「労使見解」の精神に基づいた経営指針を作成し、全社的実践を目指しています。経営指針(「経営理念」「10年ビジョン」「経営方針」「経営計画」)の存在は企業の進むべき方向を明確にし、全社一丸の体制を築き上げるのに大いに寄与します。委員会では経営指針作成の勉強会「あすなろ塾」「経営指針作成セミナー」を開催しています。
・共同求人委員会
現在、中小企業にとって人手不足は深刻な課題です。
人手不足による倒産も増えていることは社会全体の課題でもあります。
共同求人委員会では、合同企業説明会、合同入社式、新入社員研修、採用勉強会等を通して、
労働環境、社内体制、教育制度など学生にとって魅力的な会社づくりを目指しています。
私たちは“採用すること”が目的ではなく、“学生が来たいと思うよい会社をつくる”ことを目指しています。
・共育委員会
中小企業ではなかなか1社で社員研修を行うのが難しい場合があります。
そこで同友会では、新入社員研修や2~3年目社員研修、入社3年以上の社会人例会、幹部研修などを開催しています。
合同で研修をすることで、他の会社の社員の考えや意見を聞き、社員同士が学び合うだけでなく、お互いにつながりができます。
経営者も参加することで社員と共に学び、育ち合う。それが同友会の社員教育です。
・バリアフリー委員会
バリアフリー委員会は共生社会の実現を目指し、障がい者雇用への理解と企業の参加促進、
高齢者にとって生きやすい社会づくりを行政・諸学校・他団体と連携して進めることを目的に活動しています。
具体的には障がい者雇用への第一歩となるよう勉強会や企業訪問等を行い、
また特別支援学校の先生方にも委員会へ参加いただくことで学校と企業の情報交換の場にもなっています。
・企業連携推進委員会
仕事づくりのため、企業と企業、企業と大学や研究機関や行政等と連携し、地域活性化、新しい市場の創造をすすめています。「産学官連携部会FAST」、「建設関連部会」、「IT部会」、「地域包括ケアシステム」等の部会やプロジェクトがあります
・環境経営委員会
地球温暖化をはじめとした環境問題への対応が、企業の社会的課題となっています。
環境経営委員会ではムダを省いて業務の効率化を図ることで、環境負荷を減らすことに貢献し、さらには環境問題への取り組みが企業価値を高め、新たな仕事に繋がるビジネスとしての取り組みにも繋がっています。
・女性部委員会
女性経営者による悩みや問題を率直に出し合い、学び合い、自己の発展及び企業発展の力を養います。また、ワーク・ライフ・バランスを満たす魅力ある職場環境の推進も目的としています。
・国際交流委員会
人口減少によるマーケット縮小、人材・後継者不足等の課題に対し、市場や製造拠点を海外にシフトすることは中小企業にとって簡単ではありません。
海外へ目を向けた一部中小企業も資金・法律・商習慣・言語などの問題に直面しています。
当委員会では海外事業経営者、現地企業経営者等との交流を通じて経営者の国際化を図り、外国人雇用・インバウンド事業を含めた海外事業の足掛かりを提供します。
また、国内外のビジネスパートナーとのマッチング機会提供や他団体との連携等により中小企業に効果的な海外事業の経営環境を作る事を目標としています。
・ソーシャルビジネス委員会
「ソーシャルビジネス」は様々な社会課題に向き合い、ビジネスを通じて解決する事業です。
本委員会は、現状のビジネスに社会問題を組み込むことで、企業にイノベーションを起こし、“経営をより強くする”ことを目的に活動しています。
単なる社会貢献やボランティアではありません。社会問題を解決できる企業は、市民や社会にとって大切な存在です。
活動を通じ、革新的アイデアを生み出し、その地域に必要とされ永続していける企業づくりを目指しています。
・同友すばる委員会
中小企業の後継者不足は深刻です。
後継者不足による黒字倒産は増え続け、2025年までには、60万社の中小企業が黒字倒産するとも言われています。
同友すばる委員会では、年6回程度「事業承継塾」を開催しています。
塾では、事業承継に役立つ保険の活用の仕方や、新事業承継税制、M&Aのすすめ。また、実際に事業承継を経験した方からの実践報告を行っています。
・中小企業憲章本部
同友会は、地域づくり・仕事づくりに果敢に挑戦し、地域の抱える問題の解決に寄与することを期待されています。
その取り組みの確かな足がかりとして、中小企業振興基本条例制定運動を推進しています。
「条例」制定に取り組むことは、“同友会理念”の「国民や地域と共に歩む中小企業」の実践であり、
地域での同友会の存在感を示すことにつながります。