『理念を自分の言葉に ~同友会で学んだ一番大事なこと~』
報告者:株式会社愛菜華田中ファーム 代表取締役 田中 稔久氏(福岡同友会 有明支部)
今月の支部例会では、有明支部の田中さんにご報告いただきました。
田中さんは福岡県みやま市を拠点とし、ダリア生育から始まり、オリジナルブランド「ごちそう野菜」など多数の付加価値の高い商品化をされています。
元は江戸時代から続く親族経営の農家とのことでしたが、ご両親の退職を予定するため、法人化をされました。
経営者になった頃は、気合と根性を軸に同業者の交流会のみに参加し、経営についてもどんぶり勘定だったとのことです。
同友会入会後にまず2泊3日の経営指針セミナーへ参加し、経営理念「従業員が笑顔で出社したくなり、そしてこの会社で働いて心から良かったと思える会社を創ります」を策定されます。3期目は順調な滑り出しでしたが、その後コロナ襲来により経営悪化、あらためて強靭な経営体質をつくることの重要性に気づかされます。
そこで新たに『恵みを活かし、ひとを活かす』という理念のもの、①花→野菜②JA→直売所③単品目→多品目と大きく経営方針を変更しこれから社員一丸となって・・・という計画でしたが、ついてこれない社員が多数出てさらに厳しい状況に。
何が悪かったのか、本当に理念が社員に伝わっていたのか、自問自答し、再度、「理念」をビジョンや方針に本気で落としこんでいこうと決意されます。
現在では、「理念」をもとに販売基本方針や販売戦略を定めたことで、売り上げ・利益の見込みが着実に見えてきており、また「理念」をコミュニケーションの中心に!をモットーに社員ともしっかりと理念浸透にむけた様々な活動を取り入れているとのことです。
会社を将来に向け継続させていくためには、10年ビジョンや中長期計画が必要です。しかしそれだけでは、社員全員が、本気で同じ方向を向き将来を考えることにつながるのか。今回の田中さんの報告を聞いて、「理念」の重要性、そして共有・浸透していくことの難しさと大切さに、あらためて気づかされました。
ぜひとも理念経営のもと10ヶ年ビジョン達成にむけともに頑張っていきたいと強く思います。田中さん、ありがとうございました。